期間
2022.11.13〜
場所
FVK
パートナー
山の家具工房、大阪大学Ethnography Lab、他
キーワード
概要
「グリーンウッドワーク」とは、乾燥も製材もしていない伐ったままの生木を、丸太から手道具で割ったり削ったりして暮らしの道具を作る木工のことといいます。大きな機械を使うことなく、歴史が洗練してきたシンプルな道具で、身の回りのさまざまなモノを自分の手で作ることができます。グリーンウッドワークは、つくることの本質を体現するモノづくりの原点だといえます。
FVKの「森とつながるモノづくり『グリーンウッドワーク』」プロジェクトは、生命に由来する素材としての木材に着目して、木材の命を育んだ環境と、それを利用してきた私たちの暮らしについて考えるプロジェクトです。
作ることを通して、生命や大地とつながり、作ることを可能にする水や土の巡りに想いを馳せる。生きている木の個性に寄り添う感覚は、大量生産のモノづくりが当たり前になった世の中で、取り戻したい生きた感覚ともいえるでしょう。
私たちの暮らしの道具は昔から地域の身近な素材で作られていたはずです。地域の気候風土が育んだ地域の材料を使って自分自身でもしくは、職人さんが暮らしのための道具を作っていたのでしょう。
またそうした素材の中の一部は川を下って流通し、下流の都の暮らしを建築や工藝といった形で支えたことでしょう。個々の素材がもつ植物学的特性と、環境によって影響を受けて育ったその素材の個性が、文化の基盤となるような美意識につながっていったことも考えられます。
「森とつながるモノづくり『グリーンウッドワーク』」プロジェクトは、「つくる」ことの生々しい体験を通して身体の内外を接続し、自然と文化をつなぐ一本の「生命の旅」を味わうプロジェクトです。