「つくること」と社会との関係性を考える、探索的プロジェクト

様々な研究分野の人々と連携し、モノづくりの社会的つながりや他の生物との繋がりを探究する、FVKのラボ事業。「つくる」ことにまつわる素晴らしさと厄介さを、細やかに味わい、調査·研究し、その成果を社会に還元します。あらゆる枠組みを外し、この世界の繋がりを見つめる「エスノグラフィーの手法」を活用し、これからの時代に必要な視座の再構築を試みています。

モノづくりの「流域」を考える

雨として降り注いだ水は地中に浸透しては水の流れとなり、大きな川へ、やがて海に到達します。ひとつの「流域」は、多種多様な生命を育む生態系として循環しています。
FVKのある京北地域は、かつて平安京創建の際に木材を供給した、歴史ある林業の郷です。この京北から、木材は筏に組まれ、桂川を下って都に流れ、都市の建築を促しました。この山間地域の資源は建築を通して都市空間の発展を支え、それらの空間は神社仏閣やお茶文化などを通して都の文化に関与してきました。と同時に、こうした資源の採取によって、京北地域の山の姿も時代と共に変わってきました。
FVK Labでは、「木材の流通とモノづくり」という人間的ないとなみと、森や水が育んできた他の生物とのあいだを流れる「流域」について考える、様々な探究プロジェクトを展開しています。

「つくる」を通して世界を知覚する

自分の手で何かを作ろうとすると私たちは、それまで注意を払うことのなかった身体的な感覚や、ブラックボックスに入っていた社会の仕組みに気づくことができます。
「つくる」という行為を通して見えてくる自分の内外の世界にフォーカスを当て、モノを完成させることを目的とするのではなく、むしろ「つくる」ことを通して世界を知覚するプロセスを、「クリティカル·メイキング」と呼びます。
FVKでは、「工藝」という伝統的なモノづくりから、森づくり、暮らしづくり、まちづくり、コミュニティづくりに至るまで、様々な「つくる」プロセスと、そこから私たちが発見するこの複雑な世界の面白さとややこしさを共有します。